英検1級の難易度と取得する意味

資格試験

英検1級は難しいのか 

苦節10数年やっと合格した経験 

結論からいって英検1級は難しいです。 

英検1級受験を決断してから合格するまで10数年かかりました。 

大学卒業まであまり勉強が好きなタイプではありませんでした。 

なんとなく受験英語の知識で大学1年で準1級に合格しました。 

その後、遊びのような語学研修には行ったものの、本格的な勉強をしませんでした。 

ですから留学で英語力が上がるというのはウソだと思っています。 

孤独な勉強をしてやっと合格しました。 

だから英検1級の難易度は高いと思います。 

今は高校生で取得する人も珍しくない 

私の学生時代とは異なり、今は高校生で1級に合格する人を見かけます。 

学生の英検に対する意気込みが以前と違います。 

大学受験で有利になるという理由で推奨されているからだと思います。 

高校生で1級に合格できる方であれば、相当実力があると思います。 

例えば外国語系の大学を目指していたり、スピーチコンテストで優勝したりするような学生さんです。 

社会人になったら英検の勉強をする時間がなかなか取れないものです。 

ですから、モチベーションの高い学生さんは早期に取得することをお勧めします。 

英検1級合格のための具体的なレベルは? 

必要語彙数は10,000〜15,000語 

英検1級合格に必要な語彙数は10,000〜15,000語です。 

これは相当難易度が高いです。 

ちなみに準1級の必要語彙は7,500〜9,000語です。 

私が準1級に合格した後すぐ書店で1級の参考書を見たところ、大問1(語彙問題)の4択すべてが見たことのない単語でした。 

それだけでも1級の語彙の難易度がわかります。 

「英検1級は必要ない」という人が多くいます。 

それは私もある意味正しいと思います。 

でもTIMEなど英語圏のネイティブが読むビジネス雑誌を開くと、英検1級で学ぶ語彙が並んでいます。 

おそらく英検1級の語彙はネイティブからすれば日常単語です。 

文法は高校英文法を完璧に 

英検1級の受験者は、英検準1級まで合格したわけですから高校英文法が身についていると思われます。 

文法はそれで大丈夫です。 

また、英検1級の大問1にはストレートな文法問題は出題されません。 

もし準1級合格の段階で英文法に自信がなければ、固めておいた方がいいでしょう。 

高校英文法で英文法全体を基本的に網羅できていますので、高校英文法の知識を確実にしましょう。 

長文読解スピード 

英検1級の長文は難解かつボリュームが多いです。 

それを早く読む必要があります。 

また、英検の長文の内容はTOEICのビジネス系内容と異なり、広範囲にわたります。 

環境問題や歴史など、学術的な内容の長文が出題されます。 

日本人をはじめアジア人に人気の試験であるTOEICは受験者数が多いですが、リーディングの文章の内容はシンプルであまり内容が深くありません。 

英検の長文は自然科学、人文科学、社会科学と多岐にわたるうえ、1級にもなれば深いです。 

広範囲の長文に対応するには、語彙力と背景知識が必要になります。 

普段からさまざまな分野の知識に触れておきましょう。 

リスニング力 

英検1級のリスニング問題も難しいです。 

私はなんとか合格したときでさえ、自信を持ってリスニング問題を解くことができませんでした。 

TOEICよりも難しいという印象です。 

リスニングやライティングの学習は後回しになりがちですが、普段から慣れておいた方がいいです。 

ライティング 

英検1級のライティングは採点が厳しいなという印象です。 

ほとんど対策せずに受験したら、ライティングの採点が極端に低かったです。 

今でこそライティング問題の解答の構成方法などを知っていますが、1級受験当時は語彙中心に学習していたためぶっつけ本番でライティングに挑みました。 

ライティングでもできるだけ点を稼いだほうがいいです。 

いろいろなトピックについて自分の考えをまとめておくといいかと思います。 

そうしておくと、2次試験のスピーチ面接にも役立ちます。 

2次スピーチ面接 

英検1級の最難関は2次のスピーチ面接だと思います。 

私は1次試験は2回目くらいで合格したのですが、2次では合計3回落ちています。 

準1級までは2次の合格率が8割くらいですが、1級は6割まで下がります。 

かつては4割くらいだったこともあります。 

社会問題を含む広範囲のトピックがランダムに出題され、2分間でスピーチしなくてはなりません。 

英語が話せるだけでなく、いろいろな問題に関する背景知識、さらにそれらに対して「どう考えるのか」を用意しておかなければなりません。 

英検1級を取得してよかったこと 

仕事を得られる(場合もある) 

英検1級に合格して良かったことの1つは、仕事を得られたことです。 

もちろん、正社員や管理職にはなれません。 

せいぜい派遣や外注です。 

あくまで「雇用される側」「使われる側」としてスキルがあるかどうかの資格です。 

ですから、大変な労力をかけて合格してもあまり見返りがないともいえます。 

コスパの良さだけでいうと、努力しがいのある資格ではないかもしれません。 

通訳・翻訳などの専門職への登竜門 

一般的には英検1級の必要性はあまりないとよく言われます。 

日本企業はTOEICの方が好きなので、戦略的にTOEICに注力した方がいいという見方もあります。 

この点には私も同意できます。 

繰り返しますが、資格というものは派遣や外注を雇用するときの判断材料になります。 

しかし海外営業として現地で交渉するとき、海外で起業するとき、相手は英検というもの自体を知りません。 

ですから英検1級に固執するのはあまり意味がないともいえます。 

ただ、通訳・翻訳のような英語の専門職を目指す方は別です。 

通訳・翻訳の養成学校の入学自体、英検1級レベルでなければ難しい場合もあります。 

本当のプロフェッショナルは「英検1級を持っている」ということがアピールにならないくらいハイレベルなのです。 

まとめ 

英検1級の難易度をご紹介しました。 

・語彙が難しい 

・4技能を偏らずにレベルを上げる必要がある 

・英語だけではなくいろいろなトピックについての知識が必要である 

別記事では学習方法も紹介します。 

チェックしてみてください。 

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